今回は「登録理学療法士制度」についてのお話です。
この制度は2021年4月より開始させる「新生涯学習制度」の中の1つです。
なぜこの制度が必要になったのか?
日本理学療法士協会は
「理学療法士」という仕事が生まれてから50年以上が経過し、その間に人々の生活や社会環境は大きく変化しました。
日本理学療法士協会では、多様化するニーズに応えうる理学療法士を育成していくため、この度、生涯学習制度をリニューアルすることといたしました。
今まで以上に、国民に対して理学療法士という専門職の質を保証するために、「5年ごとの更新制」を取り入れることで、生涯にわたり知識・技術の維持・向上が可能となる制度設計を行いました。
と書いています。
要するに質の向上と頑張らない人は資格をもち続けないでね、と言っています。
私たち、理学療法士は人にたずさわる仕事です。
人に携わるということは、必ず変化があるということです。
そのたび、基本となる考え方はブレずに、人の生活環境に合わせて治療方法や考え方を変えていかなければなりません。
「登録理学療法士」についての説明をする前にかんたんに新制度についての話をします。
新制度は
- 前記研修(資格取得後)
- 後期研修(前記研修終了後)
から構成され、この2つを終了すると登録理学療法士になることができます。
登録理学療法士になると以下のようなカリキュラムで進んでいきます。
ここでのポイントは、新人教育プログラム終了後から認定理学療法士までの間に1つ中継点が出来たことで、個人のレベルが分かりやすくなりましたね。
やはり認定理学療法士までの道のりはかんたんではなく、指定の研修を受けなければならなかったのですが、
まんべんなく研修を受けている人でも新人よりはランクの上がった肩書きを手に入れることができるのはいい制度だと思いますね。
患者さんからしたら新人かそうでないかは区別がつくとしても、それ以外の判断材料がないのが現状です。
登録理学療法士が認知されるようになると、セラピストの中でも差別化がはかれてきます。
5年目を例に出していうと、登録理学療法士を持つ人は研修に参加しているということが分かるわけですから、
当然患者さんとしては勉強し、向上心のある人に見てもらいたいですよね。
この制度がもっとも早く浸透しそうなのは、外来や訪問などの病院外でのリハビリテーションです。
なぜか?それは外来や訪問のリハビリテーションは「明確な目標」があるからです。
明確な目標とは
- 痛みを取りたい
- 歩けるようになりたい
- 家族と一緒に旅行に行きたい など
明確な目標があれば、少しでも早くそこへ到達したいと思いますよね。
病院のリハビリは、いまだに「治療のついで」という考え方があります。
なので患者さんも「今日は疲れているからリハビリしない」などど断られることもしばしばあります。
しかし、外来や訪問リハビリは自分の意志で通い、または利用するわけですから
当然、スキルの高い人を求めます!
登録理学療法士の認知が進むと、「あなたは登録理学療法士さん?」なんて聞かれる日も来るかもしれません。
その時のために、自己研鑽しましょう!
登録理学療法士は自分がスキルを高めているという証拠を名前として残せるのですから、取らない理由はないですよね。
その上で、その次の認定理学療法士や専門理学療法士を目指したい人は目指せばいいと思います。
まずは自己研鑽して、理学療法を受ける人にきちんとした技術を提供できるセラピストになりましょう!