何のために車椅子に座るの?

新生活がスタートし、初めての休日いかがお過ごしでしょうか。

 

今日は日頃の疑問から「車椅子のに座る理由」についてお話しようと思います。

医療職の方は日頃から離床、離床とやたらと患者さんを起こしています。

 

しかし、なんで離床が良いのかと聞くと

 

「覚醒が上がるから」と一言。

 

こんな考察は素人でも分かる時代になってきています。

 

起こして、まして車椅子という道具を使うのであれば使い方くらい

 

知っておきましょう。

<目次>

1.3つのぱなしをやめる 
 ・座りっぱなし
 ・崩れっぱなし
 ・眠りっぱなし
2.車椅子乗車を最大限に活かすスキル
 ・呼吸を診る
 ・姿勢を診る
 ・覚醒を診る
3.車椅子に乗ったら考えること
 ・目標
 ・時間
 ・変化

 

1.3つの〇〇っぱなしをやめる

 

これをやめれば明日からきっと意味のある医療サービスを提供できます。

 

もう意味のないサービス提供はやめましょう。

 

・乗りっぱなし

車椅子に座ってボーッとしている人を病院や施設でよく目にします。

 

「もうちょっと座ってて」「まだ戻れません」などと言っている医療職を見ると

 

なんだか悲しくなってきます。

 

何もせず、ただただ座っている環境は苦痛でしかありません。

 

寝ているより起きている方が良い

 

こんな考えは素人です。何が良いのかをきちんと説明できることが資格者です。

 

意味もなく座らされているだけでは、ストレスが貯まり認知症の発症を招いたり

 

不穏やせん妄が強くなります。

 

座ってもらうことで大事なことは、意味を知ってもらうこと。

 

そう言うと、意味がわからない人はどうするのかと

 

聞かれそうなので答えます。

 

意味は言葉でなくても伝わります

 

飲食店に入り、目の前にお水か置かれます。

 

あなたはそれをお店の人が「どうぞ、飲んでください」と言うまで待ちますか?

 

何も考えず飲みますよね。それと同じです。

 

動作をするには何かしらの意味が必要、ということを覚えていてください。

 

明日からは意味のある車椅子の乗り方にしましょう。

 

・崩れっぱなし

当然、意味もなく座りっぱなしの人は姿勢が崩れてきます。

 

というか、私たちも長時間座っていると姿勢が崩れます。

 

それなのに何も考えず、ひたすら崩れた姿勢を戻す作業、していませんか?

 

姿勢が崩れる原因は

  • 疲労
  • 痛み
  • 滑り

 

このいずれかに該当します。

 

疲労はさまざまなことが原因で起こります。

 

運動耐容能、血圧、筋力、筋緊張、覚醒、呼吸、脱力など

 

専門職はこれらの原因を、予測・分析・解釈しなければなりません。

 

「疲れちゃったんじゃない」と言うのはカンタンです。

 

しかし、疲れの原因を見つけないことには改善につながりません。

 

また痛みの原因もさまざまです。

 

虚血、骨折後、しびれ、筋疲労、不動、局所圧、心因性など

 

「痛いよね」ではなく、なぜ痛いか、どこが痛いかを

 

予測・分析・解釈してください。

 

・眠りっぱなし

これも本当に多いです。

 

「寝ちゃったねー」とか言っている人は素人です。

 

寝ている理由も考えてください。

 

眠気の理由は

 

血圧低下、低血糖、ショック、副交感神経優位、低栄養、

サーカディアンリズムバランス低下など

 

サーカディアンリズムがわからない人は勉強してくださいね。

 

眠気もしっかり予測・分析・解釈し、なんの眠気なのか

 

考えましょう。

 

2.車椅子乗車を最大限活かすスキル

ここからはどうしたら車椅子の効果を最大限に活かせるかをお話します。

・呼吸を診る

呼吸をみる際の観察のポイントは

  • 肋骨の位置
  • 胸の膨らみ
  • 口呼吸と鼻呼吸

 

この3つを確認しましょう。

 

多くの方は肋骨の位置が浮き出て上がり、胸式呼吸が強くなっています。

 

また胸の膨らみが強く、お腹の膨らみが弱いです。

 

呼吸の状態をしっかりと観察し、分析することで、疲労の軽減や

 

覚醒の向上、痛みの軽減などにつながります。

 

呼吸は意図的に自立神経を調節することが出来る唯一の手段です。

 

これを利用しない手はありませんよね。

 

・姿勢を診る

ここはセラピストの得意分野ですね。

 

姿勢を見るポイントは

  • 傾き
  • 頭と腰の位置
  • 圧が偏ってないか

 

ここを意識しましょう。

 

傾きは前後・左右を確認します。

 

頭から傾いているのか、腰が曲がっているのか、

 

しっかり予測・分析・解釈しましょう。

 

この際、予測するのはむずかしいと思います。

 

それには麻痺があるか、骨折部位はどちらかなど疾患を考慮するのも1つです。

 

また頭と腰の位置関係も大変ポイントになります。

 

頭と腰の位置が離れている場合、重心位置が崩れています。

 

人は座っているときに坐骨結節という部分に体重が乗っていることが理想です。

 

坐骨結節に体重が乗っているときには、骨を通じて体重の感覚が脳に伝わり

 

上行性網様体賦活系という神経系の作用を活性化します。

 

これにより覚醒が向上し、ボーッとしている人もシャキッとします。

 

最後は圧が分散できているかどうか。

 

言うまでもないですが長時間座っていることは同じ部分に圧がかかります。

 

そのため、私たちはお尻の位置をずらしたり、姿勢を変えたりしています。

 

これができない方はクッションなどを使って体にかかる圧を分散させましょう。

 

・覚醒を診る

覚醒を見るポイントは

  • 服薬
  • 基礎疾患
  • 昼夜のリズム

 

これらを確認しましょう。

 

まず真っ先に確認すべきは薬です。

 

副作用に傾眠などが無いかどうか。

 

それらに問題がなければ、基礎疾患を調べましょう。

 

覚醒が下がるような疾患はないか?

 

頭部外傷、糖尿病、脳梗塞、脳出血、水頭症、腎不全など

 

それらを考慮したうえで、覚醒の低下が疲労か疾患か薬か

 

予測・分析・解釈してください。

 

3.乗った後に考えること

ここまで読んだ方はおわかりだと思います。

 

車椅子に乗ることがゴールではないということです。

 

そこで、車椅子に乗った後に必要な考え方を最後にお話します。

 

・目標

まずは、何のために車椅子に乗るのか考えましょう

・食事を摂るため
・座って手紙を書くため
・家族や友達と会話をするため

 

こんな目的があれば、人は動くんです。

 

予定がなければずっと休みますよね?

 

それと一緒です。

 

そして一度起きる仕組みさえ作ってしまえば

 

自然と車椅子に乗ってくれるようになります。

 

無理やり車椅子に乗せるのだけはやめてください。

 

不快な刺激というのは脳の扁桃体という部分に記憶され、強く残ります。

 

一度残ってしまうとなかなか消えませんので、まずは心地よく乗ってもらうよう

 

心がけてください。

 

・時間

2つめは時間を決めるということです。

 

ダラダラといつまでも続く拷問のような時間ではなく、

 

座ることは心地よく、楽しいことだという気持ちにしましょう。

 

きっちり1時間ということはなく、課題が一段落したら部屋に戻る

 

ということを毎日続ける方が効果的です。

 

何の課題がいいかは、人によって違います。

 

そこは専門職ですから、考えましょう。

 

私は女性であれば

・日記
・塗り絵
・折り紙などの工作・手芸

 

男性の場合は

・読書
・筋トレ
・フリートーク

 

私の経験上、男性の方が難しい傾向にあります。

 

趣味が少ない上に、会話もコアなものが多いので、

 

男性の離床を促すのはなかなか大変です。

 

・変化

 最後は変化を捉えるという話です。

 

せっかく車椅子に乗っても変化がわからないと自分のスキルも上がりません。

 

捉える変化は

・姿勢
・時間
・活動

の3つです。

 

姿勢は客観性もあり、職種によって見かた、捉え方が違います。

 

そこで乗車時間も比較しましょう。

 

時間は誰にとっても同じ評価ができます。 

 

活動は全く同じ評価こそできないとしても、車椅子に乗ったことで

 

どのように体の動きが変化しているかは誰でもわかりますよね。

 

また活動の変化を取られることで、その人に適した時間帯が分かります。

 

いつ車椅子に乗ったら良いかを決めるときの指標にもなりますよね。

 

 目標と時間を決めて、変化を捉えることができれば

 

それはもう専門職として立派なスキルをもったことになります。

 

この知識があればどこの場所でも活躍できる人になりますよ。

 

専門職として、正しい知識をもって、患者さん・利用者さんに接しましょう。

 

 

それでは今日はここまで。

 

本日も読んでいただきありがとうございました。

 

また次回の記事でお会いしましょう。

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