どうも、サクです。
「背もたれ」という言葉を聞いたことがない人は、あまりいないと思います。
今日はその[背もたれ]という言葉についてのお話です。
- 背もたれとは?
- なぜ背もたれというか?
- 日本はもともと床上生活
- バックレスト(サポート)とは
- バックレスト=背中を休めるもの
- 椅子生活の歴史
- シーティングとは
- シーティング
- 不良姿勢(シーティングが必要な姿勢)
- シーティングの実践
こんな感じでお話していきます。
1.背もたれとは
なぜ背もたれというか?
私たちも仕事上、多職種や患者さんなどに説明する場合、椅子や車椅子の背中の部分を「背もたれ」といいます。
しかし、海外ではBack-restやBack-supportという言い方をします。
では、なぜ日本では「背もたれ」という言葉なのでしょうか?
「もたれ」という言葉は「支える・寄りかかる」という意味があるようです。
https://www.weblio.jp/content/%E3%82%82%E3%81%9F%E3%82%8C%E3%82%8B weblio辞書より
日本で使われている背もたれには「寄りかかる」というイメージのほうが強いと思われます。
寄りかかるとは預けること同じ意味です。完全に任せっきりの状態ですね。
支えてもらう、という考え方が強いために、このもたれるという言葉ができたのではないかとも思います。
日本はもともと床上生活
日本の椅子文化は平安時代にさかのぼります。
椅子は権利の象徴としてのニュアンスが強く、
権利を持っている人が、待機したり、腰をかけたり、
一時的に使用するものとされていました。
また日本は床文化が根付いていて、わざわざ椅子を使用する必要がなかったと言われています。
そのため、椅子文化が根付かず、椅子に対しての考え方も海外とは
異なったように思えます。
2.バックレスト(サポート)とは
バックレスト=背中を休めるもの
この言葉は医療従事者や、椅子を扱う方々以外は、なかなか馴染みのない言葉だと思います。
英語ではBack(背中)-rest(休む)ですので、
背中を休めるという言葉で使われています。
休むとは、動きを一度やめてやすまること、とされています。
つまり休むことは終わることではなく、次に繋げるための動作です。
この考え方が、日本と海外とでは違うのではないでしょうか。
日本の場合だと、区切りや終わりの意味が大きいと思います。
ですが、海外での休むは、次に繋げるための充電という意味合いが強いと思われます。
椅子生活の歴史
海外の椅子の文化は古代エジプト時代にさかのぼります。
この時代背景だけ見ても椅子文化の歴史の重みが違いますね・・・
ですが、使い方はもともと権力の象徴であったことは日本と似ています。
では、いつからバックレストとしての機能を重視させた考えになったのか。
椅子が機能性が良いものとして作られるようになったのは、
ルネサンス時代(西暦1,400~1600年)であり、座面に布が貼られ、今のクッションに当たるものが入れられたそうです。
この時代、日本では室町時代にあたります。
この頃の椅子を調べてみましたが・・・
サイズも大きく、クッションはなく、到底休むためのものではありませんでした。
やはり、権利の象徴としての機能がまだ残っているようでした。
3.シーティングとは
シーティング
皆さんは、シーティングという言葉を聞いたことがありますか?
「シーティング」とは病的・不健康な「坐り」を修正して、快適な坐りをつくることです。
著:光野有次、串田秀之/これならわかる シーティング 「快適座位」こそ介護の決め手/ヒポ・サイエンス出版より
医療・介護・福祉業界では「シーティング」や「ポジショニング」といった姿勢改善に向けての考え方が浸透してきています。
今回のシーティングは皆さんが、日常かならずとる「坐り」の姿勢に着目して、
ポイントと完全策を分かりやすくお伝えします。
シーティングにおける4つのポイント
- 姿勢を診る
- 圧点を探す
- 機能を知る
- 素材を選ぶ
<姿勢を診る>
今日から姿勢を「見る」ではなく、「診る」に変えましょう。
診るとは、診断するということです。
難しいことではありません。
ポイントを押さえていれば、誰でも見れるようになると思います。

まずはこのように診ていきましょう。
<圧点を探す>
ここは先程の図を使えばカンタンです。
圧点とは、圧がかかるポイントです。
座っている時に圧がかかるのは「臀部」お尻の部分です。
私たちは「坐骨」と呼びます。
人の体重は骨で支えている部分が大きいです。
筋肉も大事ですが、骨で支えて筋肉や靭帯がその補助をしています。
座っている姿勢も一緒で、骨で支えるように座ると一番ラクな姿勢となりやすいです。
なので圧点を探す場合は椅子との隙間を探しましょう。

<機能を知る>
シーティングとは治療の1つですので、悪いところが分からなければ治療できません。
そこで、座ってもらう時に実際に動いてもらえば良いのです。
確認することは
- 前後に動けるか
- どちらに傾くか
- 座り続けられるか
- リラックスできているか
シーティングを考える際にはここを抑えておくと良いでしょう。
ここはセラピストが得意分野ですが、大事なことは
「動こうと思えば動ける姿勢」であることです。
シーティングは快適でなくてはなりません。
なので、休んでいても、つねに動き出せる姿勢にすることが必要です。
<素材を選ぶ>
素材とは「クッション材」のことです。
隙間を埋めたり、圧を分散したり、さまざまな種類と役割があります。
- 綿
- ゲル
- ビーズ
- パイプ
- ウレタン
など種類が多いため、これは実際に試して、一番適しているものを選ばなくてはありません。
その人の疾患や状態、運動機能に合わせて最適な素材を選びましょう!
クッション材の選び方については別の記事で書こうと思います。
だいぶ長くなってしまいましたが、本日はここまでです。
読んでいただきありがとうございました。
また次回の記事でお会いしましょう。